2006年08月20日

夢屋って、どんなとこ?

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国道57語号線が阿蘇市一の宮町宮地に入ると、右手には高岳の威容が迫ってきます。

その山容は、仙酔峡にミヤマキリシマが咲きほこる季節には、自然の威厳と繊細さが調和され、成熟した、まるで一個の人格のような様相を見せ始めます。

国道を左に折れ、阿蘇神社の鳥居が見えるその少し前に、大きな一枚板の看板
に『夢屋』と刻まれた表札を掲げるアンティーク・ショップのようなたたずまいの一軒家があります。

夢屋は約一年間の準備期間(すでにパン販売は、このときから保健所の許可を得て開始していましたので、実質的な運営は1995年からなのです)を経て、1996年4月に、正式に福祉作業所としてオープンのイベントを行い、出発しました。

作業所としての利用者は5名〜7名の少人数ですが、地域の子どもたちや福祉、教育に関心を持つ学生、大人、養護学校からの実習研修、教員の研修など多くの訪問者や利用者があります。



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玄関に入ると、大きなテーブルが目に入りますが、そこで顔を向き合わせながら、和気合いあいとメンバーが食事をしたり、また訪問者と作業所の日常や、これからのビジョンを語り合ったりと、様々な用途に役立つ、夢屋にとってのシンボル的役割を担っています。

一階の奥には、パン製造の作業場、事務所などがあります。

注文販売しているパンに関しては、「夢屋のパンを食べだしたら、他の店じゃ買う気がせん」といわれるほど、無添加で、素朴な味が好評です。
また、手作りのクリスマスケーキや卒業記念のケーキづくりなどを、学校から注文を受けつくったりもしています。
こうした夢屋の活動が認められて、1998年には、第一回「くまもとやさしいまちづくり賞」を受賞させていただきました。

夢屋代表である宮本誠一(通称ミヤモッちゃん)は、日常の作業所活動、利用者へのサポートなど多岐にわたる役割を担っていますが、空いた時間には外部からの訪問者ひとりひとりの言葉を真摯にうけとり、応対しています。

こうした人柄を慕っての訪問者も絶えません。

また、ミヤモッちゃんには小説家としての顔もあり、彼の作品には、

「真夜中の列車」(1998年、第24回部落解放文学賞小説部門入選)
「ウオール(=壁)」(1998年、第20回県民文芸賞小説部門第一席)
「水色の川」(1999年、第25回部落解放文学賞小説部門入選)
「坂の家」「海月」(2000年、詩と真実賞)
「お月様とゆず」(2004年、家の光童話賞優秀賞)


などがあります。

実は、ミヤモッちゃんは、夢屋を始める前、小学校の教師だったのです。

学校教育の様々な矛盾に直面し、悩んでいたところ、一人の自閉症の青年との出会いをきっかけに、夢に描いていた障害者と健常者との「共生」の場づくりに全力で取り組んでいこうと、33歳で辞職を決意したのでした。

それは、学校からのアプローチという方法ではなくて、「小規模作業所」という現場から、自らの人間観、教育観をもとにしながら、より地域の人たちや子どもたちと深くかかわりながら「共生」の場の具現化を図ろうという、むしろ積極的な転換でもあったのです。

皮肉にも、最後の勤務校が夢屋のすぐ向かいにあるので、つくっている当初は以前
の教え子たちが夢屋の前をとおりすぎていくのを複雑な思いで見ていましたが、そんな中でも12年がたち、今でも訪ねてきてくれるかつての教え子は少なくありません。

自立支援法が施行され、夢屋は再び大海の中に投げ出され、新たな形で力強く櫓を漕ぎ、すすみださなければならないときにきていますが、これからもメンバーや地域の方たちと協力しあいながら、阿蘇市からこの「共生」の灯を消さないように、やっていこうと一人一人誓い合っているところです。
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